グウェント ローグ メイジ 辛口感想

『グウェント ウィッチャーカードゲーム』の外伝として、『グウェント:ローグメイジ』が2022年7月7日に発売されました。対応機種はPC、iOS、Androidで価格は1100円です。
ローグライク、デッキ構築要素があるシングルプレイゲームということで、『グウェント ウィッチャーカードゲーム』とはルール自体が変わっています。
他の外伝として『奪われし玉座』がありますが、『グウェント:ローグメイジ』はカード性能はそのままに1ラウンド性にしてコスト管理を取っ払った形になります。

『グウェント ウィッチャーカードゲーム』は昔良くやっていたのですが、ここ1年くらいプレイから離れており、新しいカードが大量に増えた&調整カードが多くて把握が大変な状況で復帰できずにいました。ローグライク、デッキ構築要素に興味があり、復帰の前段階としてちょうどいいかなと思い購入してみました。

グウェントは大好きなゲームですが、プレイしていて物申したい気持ちになったので感想を投稿したいと思います。
少し辛口な内容になりますが、一個人の感想として参考にしていただければと思います。

↓紹介トレーラーはこちら

グウェントローグメイジで気になった点

3ラウンド制から1ラウンド制に変更

オリジナルは3ラウンド制だったのですが、恐らく1回あたりの戦闘を簡素化するために1ラウンド制に変わりました。
これはかなりの改悪で、3ラウンド制が故に1、2ラウンドは強カードを温存して場合によってはわざと負けるといった駆け引きがなくなりました。
1ラウンドですので、毎回全力でカードをぶち込んでいくだけです。
ラウンドによる駆け引きがなくなったことで大味になり、ラウンド間でどのタイミングでカードを切るかだけの戦術の浅さが気になりました。
またカードの引きが悪くても2、3ラウンドで良いカードを入手、マリガンで手札を管理するといった戦術はなく、毎ターン1枚カードを引ける形になります。

デッキコスト制の廃止

オリジナルはデッキにコスト上限が在ったため、高コストカードと低コストカードを組み合わせるデッキ構築の楽しみがありました。
低コストカードもシナジーで多くの点数を稼げるものがあり、初回ラウンドは低コストカードで戦って、最終ラウンドは高コストカードで全力で戦うといったコスト管理の考えがありました。
グウェントローグメイジではなんとデッキコスト制が廃止となったため、低コストカードは多少のシナジーを除き意義は本当にありません苦笑
イベントで高コストカード(性能の良いカード)を引き続け、低コストカードは削除するのが絶対解になります。
この仕様のためデッキのバランスを見て低コストカードを活かす方法を考えるデッキ構築要素はなく、ただ強いカードを選んでいく作業に感じました。
グウェントローグメイジではデッキ構築を売りとして謳っていたため、コレジャナイ感があり、まともにデッキ構築できないことについてがっかりしました。

初期デッキが固定で拡張性が低い

グウェントは以下のような勢力があり、勢力の中でも亜種が複数あります。
デッキの構築が多彩で相手とあたったときにどのような戦術が読めないため、1ラウンド目は様子見をして相手のデッキ構築を見極め、柔軟に対応してく必要がありました。
この多様性からデッキ構築の楽しみが対策を考えるのがとても楽しいゲームでした。

[モンスター][ニルフガード][北方諸国][スコイア=テル][スケリッジ][シンジケート][ニュートラル]

グウェントローグメイジは[北方諸国]のうちのいわゆるバフ構築が初期デッキ固定となっています。
アンロックを重ねることで拡張できるようですが、オリジナルのような多様性は残念ながらありませんでした。
毎回[北方諸国]のバフ構築デッキを強制され、自身で調整できる内容がキーカードを1枚変えるだけなので飽きるのがとても早かったです。
オリジナルでは相手の強いデッキにあたったときに、自分でも真似して使ってみたり、流行っているカードについては対策カードを入れたり、新しい勢力に挑戦してみたり、ラウンド間の立ち回りを考えるといった戦術要素が強かったのですが、グウェントローグメイジはデッキ介入要素がとても低く、少ない介入要素も繰り返しプレイをしないと解禁されないのが辛かったです。

初期デッキでほぼクリア不可能なBOSS

初期デッキでBOSSまで進めることはさほど難しくはありませんが、BOSSの構築が初期デッキと最高に相性の悪い内容になっていることに驚きました。
デッキ構築やローグライクでどうこうできる問題ではなく、アンロックを進めて初期デッキの構築・根本的なシナジーを変えないとBOSS攻略が難しいのです。
そのため初期についてはデッキ構築やローグライク要素で挽回できるはずもなく、ただひたすら初期デッキでBOSSまでのルートを繰り返し、アンロックによって初期デッキを変えることでBOSSを倒すゲーム設計になっています。

大味な常駐アイテム

宝箱からは常駐アイテムが入手できるのですが、これはフィールドに存在することで自身が設置することでその恩恵を受けられます。
アイテムは1種だけで管理するのかと思いきや、複数デッキに組み込むことができるため、同じカードを入れることができます。
そのため強い常駐アイテムが引けるとそのランはだいぶ楽になりますが、戦術性が低く、運もかなり絡むので大味に感じました。

ストーリーは皆無

『奪われし玉座』はストーリーの作り込みがありましたが、本作は導入のムービーがある程度でストーリー性は薄いです。
そのためウィッチャーシリーズのスピンオフのストーリーを楽しみといった観点からは微妙です。

毎ターン打てる魔法とごっそり削られたスペル

本作では魔力ゲージを消費して3つの装備スペルのどれかを毎ターン発動できます。
毎ターン除去スペルがローリスクで打てるだけでグウェントのゲーム性が崩壊するレベルのOPなのですが、これは初心者救済要素なのかもしれません。
プレイした時間は数時間なので今後の拡張性について多くを語ることはできませんが、オリジナルに在った大量のスペルは3種+αに簡素化されており、これもデッキ構築を楽しめない一つです。

まとめ

グウェントのカードゲームとしての楽しさは
『3ラウンド制の駆け引き』
『コスト管理や幅広いカードプールを用いたデッキ構築の楽しさ』
『相手のデッキ構築を見抜いて先を読む高い戦略性が求められること』
にあると考えていますが、これらをすべて取り去ったグウェントローグメイジはおすすめできる作品とは言えませんでした。
売りのローグライク、デッキ構築についても及第点に至っておらず、以下の問題点があると思います。

1)分岐でカードを強化するが、だたひたらすら強カードを選ぶだけで戦術性が低い
2)初期デッキのシナジーは固定されており、デッキ構築要素はほとんどない
3)アンロック前提のゲームデザインでありながら、プレイヤーの介入要素が低い
4)狭いカードプールと少ない敵による飽きの速さ
5)すぐにクリアされないための安易なBOSS設計

1100円のDLC拡張でここまで酷評するのも酷な話かもしれませんが、改めてオリジナルの『グウェント ウィッチャーカードゲーム』を再認識できるゲーム体験となりました。
少し辛口となってしまいましたが、今後のアップデートによる改善があれば嬉しいですね。
オリジナルのグウェントについても復帰を目指してカードチェックを始めたいと思います。

 

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